かなで便り Kanade news

最近の千葉の民事事件における和解手続について

2022.11.29

 弁護士の樋口です。  かなで便り5月号において,提訴から判決までの手続の全面的なオンライン化を主たる目的とした「民事訴訟法との一部を改正する法律」(本年5月18日成立,2025年度までに完全実施予定)のお話をしました。  もっとも,上記法改正成立前より,以下の①と②を満たしていれば,千葉県内の裁判…

交通事故の加害者が自賠責のみ加入して資力がない場合

2022.08.30

 弁護士の樋口です。  交通事故に遭われてお怪我をしてしまった場合,加害者が任意保険へ加入していれば,任意保険会社より,お怪我の賠償の支払いを受けることができます。また,加害者が任意保険へ加入していなくとも,ご自身が人身傷害補償保険に加入していれば,同保険を利用して,お怪我の賠償の支払いを受けること…

ジュニアロースクールに参加しました

2022.08.30

 千葉県弁護士会では、各弁護士が任意に様々な委員会活動に従事しています。  日々の仕事に直結する委員会やその他、公益的な活動まで様々存在します。  私が、所属している委員会の一つ法教育委員会主催の中学生向けジュニアロースクールに先日、参加してきましたので、ご紹介をいたします。  千葉県弁護士会が実施…

成年後見人等研修に参加しました

2022.07.16

 千葉県弁護士会では、成年後見人等の名簿登録希望者に対して、2年に1度研修受講を義務づけています。  先日、当該研修会が開催され、出席をしました。  講義内容としては、①成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の解説(郵便回送嘱託、死後事務を中心に)、②本人が亡く…

民事訴訟法の改正について

2022.05.27

 弁護士の樋口です。  新聞やニュース等で報道されましたが,本年5月18日,民事訴訟法との一部を改正する法律が成立しました。改正の主たる目的は,提訴から判決までの手続の全面的なオンライン化です。  法律が成立しても,実施されるまでには時間がかかります。法務省によると,段階的に整備し,2025年度まで…

少年法の改正について

2022.05.06

 先月のかなで便りにおいてご紹介をしたとおり、日本において成年年齢の引下げ(成年年齢が現行の20歳から18歳に)が行われました。  それを受けて、民法上成年になった18歳、19歳の者について、少年法の改正が行われました。改正少年法は、令和4年4月1日に施行されます。 1 改正の概要について  改正少…

成年年齢の引下げについて

2022.03.31

1 はじめに  成年年齢の引下げ等を内容とする「民法の一部を改正する法律」(平成30年法律第59号)が,令和4年4月1日に施行されます。  この民法改正は,①民法第4条が規定する成年年齢を20歳から18歳に引き下げ,②同法第731条が規定する女性の婚姻可能な年齢を16歳から18歳に引き上げる等を内容…

治療費の支払を任意保険会社から打ち切られた場合

2022.02.28

弁護士の樋口です。  交通事故に遭われた場合,加害者側が任意保険に加入していれば,通常,任意保険会社(もしくは同保険会社の代理人弁護士)とお話し合いをします。  交通事故に遭ったことにより通院が必要だった場合,通院に伴う治療費は,任意保険会社から,病院へ直接支払われます。被害者側としては,お怪我が完…

弁護士の活動について(他の弁護士会との交流について)

2022.02.01

 今月,札幌弁護士会の中の被害者支援を担う委員会(名称:犯罪被害者支援委員会)のメンバーと私も所属している千葉県弁護士会の被害者支援を担う委員会(名称:犯罪被害に関する委員会)のメンバー約35人でZoomを使っての合同勉強会を実施しましたのでご報告いたします。  弁護士は,事務所を構える地の弁護士会…

和解書(示談書)と免責証書の違い

2021.12.29

 交通事故の民事損害賠償事件が交渉(裁判外)で解決となる場合,弁護士が受任をしていれば,一般的には書面に解決内容を記載することになります。  このとき作成する書面には,①和解書(示談書)と呼ばれる書面と,②免責証書(承諾書)と呼ばれる書面の2種類があり,事案に応じて両者のいずれとするかを選択すること…