かなで便り Kanade news

弁護士の活動について(他の弁護士会との交流について)

2022.02.01

 今月,札幌弁護士会の中の被害者支援を担う委員会(名称:犯罪被害者支援委員会)のメンバーと私も所属している千葉県弁護士会の被害者支援を担う委員会(名称:犯罪被害に関する委員会)のメンバー約35人でZoomを使っての合同勉強会を実施しましたのでご報告いたします。  弁護士は,事務所を構える地の弁護士会…

和解書(示談書)と免責証書の違い

2021.12.29

 交通事故の民事損害賠償事件が交渉(裁判外)で解決となる場合,弁護士が受任をしていれば,一般的には書面に解決内容を記載することになります。  このとき作成する書面には,①和解書(示談書)と呼ばれる書面と,②免責証書(承諾書)と呼ばれる書面の2種類があり,事案に応じて両者のいずれとするかを選択すること…

「調停に代わる審判」の活用について

2021.11.30

弁護士の樋口です。  亡くなった方の遺産を相続することになったものの,音信不通の相続人(手紙は届くが,返事をくれない)がいる場合,どのように解決することができるでしょうか。  通常,相続人の方々と,お話し合いを重ね,遺産分割協議書を作成等することで解決することを目指します。しかし,音信不通の相続人が…

刑事事件における身柄拘束の流れ及び身体拘束からの解放について②

2021.11.02

 今回は,8月のかなで便りに引き続き,被疑者勾留(犯罪をしたと疑われている立場の拘束)の期間が満了した後の流れについて触れたいと思います。  被疑者交流の満期には,処分を決める検察官は,大きく分けて「釈放」,「略式手続(罰金)」,「起訴」の3つのいずれかを選択することになります。  ①釈放とは,文字…

民事裁判のIT化

2021.10.06

 内閣官房日本経済再生総合事務局では,平成29年6月9日に閣議決定された「未来投資戦略2017」を受けて,裁判手続等のIT化に向けた検討会を同年10月より立ち上げました。  これを受け,現在,各地の裁判所で民事裁判のIT化が進みつつあります。  これまでの裁判では,争点を整理をするための手続として,…

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」のご紹介

2021.08.25

弁護士の樋口です。  亡くなった方の遺産を相続をしたものの,遺産に含まれた不動産の買い手が見つからない,いわゆる「'負'動産」を抱えている方が,一定数,存在します。  「'負'動産」を抱えている方全員が対象となるわけではありませんが,一定の条件を満たすことで,「'負'動産」を手放し,国庫へ帰属させる…

刑事事件における身柄拘束の流れ及び身体拘束からの解放について

2021.08.16

 捜査機関が犯罪をしたされる人物(被疑者)を逮捕した場合,逮捕から48時間以内に検察官に事件を送致しなければなりません。  また,事件の送致を受けた検察官は,送致より24時間以内に裁判所に対して勾留請求を行うか否かを決める必要があります(①)。  勾留請求とは,検察官が裁判所に対して,被疑者の身柄を…

交通事故が発生した場合に警察官が作成する図面

2021.07.01

 交通事故には,大きく分けると「人身事故」と「物件事故」があります。  「人身事故」は事故により生命身体の損害が生じているものをいい,「物件事故」は負傷がなく車両等の財物の損害のみが生じているものをいいます。  もっとも,事故により負傷すれば自動的に全件人身事故として警察が処理するわけではなく,警察…

弁護士費用を負担する保険が拡大しています

2021.05.31

 弁護士の樋口です。  2019年4月25日の「かなで便り」に記載しましたが,自動車保険の特約の1つとして,「弁護士費用補償特約」があります。交通事故に遭われ,加害者側に対する損害賠償手続を弁護士へ依頼して行いたい場合,「弁護士費用補償特約」に加入していれば,(一定の限度額はございますが)加入してい…

「生まれてから亡くなるまでの戸籍」が必要と言われたら

2021.04.26

 戸籍は,人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので,日本国民について編製され,日本国籍をも公証する唯一の制度です。  相続の際に,被相続人(亡くなった方)の開設金融機関から,被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要ですと言われることが多々あります。 言う方は簡単に言いますが,実…