法務局の職権による住所等変更登記について
弁護士の樋口です。
2023年2月のかなで便りにおいて、以下のURLのとおり、相続登記の義務化について、お話ししました。
相続登記の義務化について | かなで法律事務所
相続財産に不動産が含まれている場合、司法書士の方へ、相続登記を依頼することが多いと思われます。
もっとも、弁護士であっても、ご依頼を受けることで、相続登記を行うことはできます。相続登記に必要な資料と、相続財産である預貯金の払戻手続に必要な資料は、住民票原本等一部異なるものの、概ね同一です。
そのため、私は、1年ほど前より、相続・遺産分割のご依頼を受ける際、相続財産に不動産が含まれていれば、相続登記もご依頼いただき、自ら行うことにしております。
相続登記の申請書は、以下のURLのとおり、法務局のホームページに掲載されています。
不動産登記の申請書様式について:法務局
今回、遺贈による所有権移転登記申請を行うべく、上記URLで申請書を探していたのですが、以下の記載例のとおり、令和7年4月21日以降、申請書の一部が変更されていることに気付きました。
所有権移転登記申請書(相続人に対する遺贈・単独申請)〈R7.4.21以降に申請する場合〉
申請人欄として、氏名ふりがな・生年月日・メールアドレスを新たに加えるよう、変更されています。
令和8年4月から氏名・住所の変更登記が義務化されることに伴い、同月以降、登記所において、定期的に、氏名、氏名ふりがな、住所、生年月日の情報を用いて住基ネットを検索し、氏名・住所の変更を把握した場合には、登記名義人のメールアドレス宛てに連絡し、御本人の了解を得た上で、職権で変更登記を行うため、です。
これを、法務局の職権による住所等変更登記、といいます。
相続登記を行う場合は、これまで同様の申請書が利用できると思い込まず、その都度、法務省のホームページを確認すべき、と思いました。