令和8年再審制度の改正について
令和8年7月17日に参議院本会議で可決され、改正刑事訴訟法が成立しました。1948年の現行法制定以来、約80年近く、全く見直しがなされなかったことにまず、驚きを禁じ得ません。
これも死刑確定後に再審無罪となった袴田巌さんの冤罪事件及び当時の検事総長談話の表現などを契機に、検察への批判や改正を求める世論の高まりが大きな力になったことは間違いないと思われます。
改正点として、裁判所による再審開始決定に対し、検察官の不服申立(抗告)が原則禁止になりました。再審開始決定は、あくまでも再審を始めるという決定であり、再審無罪となるわけではありません。
にもかかわらず、法的安定性の維持という要請を考えたとしても、検察官の不祥事や取り調べが問題となっている昨今、何より再審無罪が実際に出ている現実を前に、入口での不服申立に拘る法務・検察当局の強硬な姿勢には、残念でなりません。
原則禁止であり、例外的な余地が残った以上、原則と例外が逆転することがないように、今後の運用を見守っていく必要があります。
その他、裁判所が「相当と認めるとき」に、検察官に対して証拠を提出することを命じる規定や、開示された証拠の目的外使用の禁止なども設けられました。
証拠の全面的な開示には至らなかったため、多くの再審事件で問題になっている検察による証拠隠しなどが行われるリスクや、弁護活動の萎縮するのではないかという指摘もあるところです。
法施行後5年ごとに見直し検証する旨の規定ありますので、今回の改正法の理念が実際に確保されているのか、厳しく見守っていく必要があると思われます。
弁護士 相田 敦史








