経営者保証ガイドラインにおけるインセンティブ資産について②(華美でない住宅の保有)
弁護士の樋口です。
2025年2月28日のかなで便りにおいて、経営者保証ガイドラインにおけるインセンティブ資産について、お話ししました。一定期間の生計費に相当する額や華美でない自宅等についても、「回収見込額の増加額の上限」の範囲内であれば、手元に残すことができる、というお話です。
今回は、「華美でない自宅」について、お話しします。
以下の「経営者保証に関するガイドライン」Q&AのQA7-14に記載されていますとおり、回収見込額の増加額の範囲内で、インセンティブ資産として「華美でない自宅」を残存資産とすることができます。
「経営者保証に関するガイドライン」Q&A
この点、評価額、地域性、築年数、面積・外観、同居者の人数、扶養家族、要介護の有無から、「華美でない自宅」か否かが判断されます(実践経営者保証ガイドラインP178~P179、QA7-14「華美でない自宅」、経営者保証に関するガイドライン7⑶③)。
上記の考慮要素を踏まえて、「華美でない自宅」と判断できれば、アンダーローン(=住宅ローン残額よりも評価額が上回っている)の住宅であっても、回収見込額の増加額の範囲内であれば、自宅を売却せずに、手元に残すことができます。
実際、私が支援専門家弁護士として関わった事件において、保証債権者の方々の同意を得ることができ、保証人の方のご自宅を手元に残すことができました。
上記事件においても、主たる債務者(=保証人が経営していた会社)は、特別清算手続を利用することで、保証債権者の方々に対し、破産手続よりも多くの弁済をすることができました。その結果、「回収見込額の増加額の上限」を増やすことができたことが、大きな要因です。
様々な要件を満たす必要がありますが、保証債務で悩まれている場合は、「保証人の型は経営者保証ガイドライン、主たる債務者は特別清算」という方針を、検討された方が良いと思います。








