かなで便り Kanade news

特別清算手続の活用②

2026.08.21 倒産・経営者保証ガイドライン

 弁護士の樋口です。
 2024年11月30日のかなで便りにおいて、「経営者保証ガイドラインを利用する場合の特別清算手続の活用」について、お話ししました。

経営者保証ガイドラインを利用する場合の特別清算手続の活用について

 主たる債務者である会社が行う法的債務整理手続として、破産手続ではなく特別清算手続の方が、破産管財人の報酬が発生しない分、(債務免除益課税が発生しなければ)債権者の方々に対する会社からの弁済額が多くなるものと見込まれます。
 債権者の方々への弁済額を多くする目的は、連帯保証人である代表者が経営者保証ガイドラインを利用することで、「一定の要件を満たし、債権者の方々の合意を得ることができれば、99万円を超える財産を、手元に残すことができる可能性」というメリットを追求するためです。

 
 連帯保証人である代表者が経営者保証ガイドラインを利用するケースは、多額の保証債務を抱えていることにより、代表者が債務超過であることが前提です。
 稀に、会社の負債がそこまで大きくないことから、会社が法的債務整理手続を行っても、連帯保証債務額もそこまで大きくなく、その結果、代表者が資産超過であるため保証債務を一括弁済するというケースもございます。
 このようなケースにおいても、会社が行う法的債務整理手続として、破産手続ではなく特別清算を活用するという選択もあり得ます。
 なぜなら、会社が特別清算を行う事で債権者の方々へより多く弁済することができた結果、その分だけ、連帯保証人である代表者は、一括弁済する金額を少なくすることができるためです。
 
 実際、最近私が対応した事件において、会社が破産手続を選択した場合、連帯保証人である代表者が一括弁済する金額も約100万円増加する見通しであったため、会社が特別清算手続を選択することで、代表者の一括弁済額をより少なくすることができました。