かなで便り カテゴリー【家族問題(相続・遺言、離婚)】 Kanade news

戸籍証明書の広域交付制度について

2024.02.28

 弁護士の樋口です。  令和6年3月1日より,戸籍法の一部を改正する法律が施行され,本籍地以外の市区町村の窓口でも,戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになります。これを,「広域交付制度」と呼ぶようです。 法務省:戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)  広域交付制度が開始され…

相続におけるかんぽ生命保険金の取扱いについて

2023.11.29

 弁護士の樋口です。  亡くなった方(以下「被相続人」といいます。)が自らを被保険者とした生命保険契約を締結していた場合,生命保険金が相続財産に該当するか否かは,以下のとおり整理されます。  1 保険金受取人が被相続人であった場合 ⇒ 相続財産  2 保険金受取人が相続人と指定されていた場合 ⇒ 相…

所有者不明土地(建物)管理制度について

2023.08.30

 弁護士の樋口です。  2023年2月のかなで便りにおいて,いわゆる“所有者不明土地”の問題を解決するため「民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第25号)」が成立し,その1つとして,相続登記の申請が義務化されたことをお伝えしました。  今回は,上記法律成立に伴い新設された「所有者不明土地管理制度…

相続財産清算人について

2023.05.31

 弁護士の樋口です。  以下の①や②の場合,利害関係人が,家庭裁判所に申立をすることで,相続財産清算人を選任してもらうことができます。 ① 身寄りがなく,相続人がそもそも誰もいなかった場合 ② 相続人全員が相続放棄をして,結果として相続する人がいなくなった場合  相続財産清算人は,亡くなった方の債権…

相続登記の義務化について

2023.02.28

 弁護士の樋口です。  令和6年4月1日より,相続により不動産を取得した場合,取得を知った日から3年以内に,相続登記の申請が義務づけられます(不動産登記法76条の2)。正当な理由がなく相続登記をしなかった場合は,10万円以下の過料に処されることがあります(同法164条1項)。  これまでは,相続登記…

民事訴訟法の改正について

2022.05.27

 弁護士の樋口です。  新聞やニュース等で報道されましたが,本年5月18日,民事訴訟法との一部を改正する法律が成立しました。改正の主たる目的は,提訴から判決までの手続の全面的なオンライン化です。  法律が成立しても,実施されるまでには時間がかかります。法務省によると,段階的に整備し,2025年度まで…

成年年齢の引下げについて

2022.03.31

1 はじめに  成年年齢の引下げ等を内容とする「民法の一部を改正する法律」(平成30年法律第59号)が,令和4年4月1日に施行されます。  この民法改正は,①民法第4条が規定する成年年齢を20歳から18歳に引き下げ,②同法第731条が規定する女性の婚姻可能な年齢を16歳から18歳に引き上げる等を内容…

「調停に代わる審判」の活用について

2021.11.30

弁護士の樋口です。  亡くなった方の遺産を相続することになったものの,音信不通の相続人(手紙は届くが,返事をくれない)がいる場合,どのように解決することができるでしょうか。  通常,相続人の方々と,お話し合いを重ね,遺産分割協議書を作成等することで解決することを目指します。しかし,音信不通の相続人が…

「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」のご紹介

2021.08.25

弁護士の樋口です。  亡くなった方の遺産を相続をしたものの,遺産に含まれた不動産の買い手が見つからない,いわゆる「'負'動産」を抱えている方が,一定数,存在します。  「'負'動産」を抱えている方全員が対象となるわけではありませんが,一定の条件を満たすことで,「'負'動産」を手放し,国庫へ帰属させる…

「生まれてから亡くなるまでの戸籍」が必要と言われたら

2021.04.26

 戸籍は,人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので,日本国民について編製され,日本国籍をも公証する唯一の制度です。  相続の際に,被相続人(亡くなった方)の開設金融機関から,被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要ですと言われることが多々あります。 言う方は簡単に言いますが,実…