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ドライブレコーダー搭載していますか?

2019.05.31 交通事故

 弁護士の塩野です。
 私は、交通事故に関するご依頼をお受けすることも多いのですが、最近、どのような事故態様だったのかを認定することが難しい物損事故が多いと感じています。
 ご依頼者様は、「駐車場内で、自分の車は停まっていて、相手の車が後退してきて衝突した。」と仰り、相手の人は、まったく逆に、「停止中に追突された。」と主張しているケースを想定してみてください。
 この場合、ドライブレコーダーや防犯カメラ等の映像があれば、すぐに解決できることも多いですが、映像がない場合には、双方の車両の損傷状況や、双方当事者ないし目撃者の供述に矛盾があるかどうか等、その信用性を詳細に検討しなければなりません。また、そのような検討を経ても、結局どちらの言い分が正しいか判断しかねることもあります。
 事故当事者の方は、「自分の言っていることをどうしてわかってくれないんだ。こんな簡単な事故にいつまで時間をかけるんだ。」と不満を持たれるかもしれませんが、裁判官や弁護士、保険会社の担当者は事故の瞬間を現場で見ていない以上、客観的な映像がなければ、手元に存在する証拠(車両の損傷、当事者や目撃者の供述)等から事故の態様を推認するしかありません。
 そして、そのような乏しい証拠から推認する以上、客観的(神様の目から見た)真実にたどり着けないこともあります。
 このように、事故態様を認定することが非常に困難な場合もありますので、ご自身の車にはドライブレコーダーを搭載することを強くお勧めします。